何もしない甘美さを Dolce far niente 〜バリ/トラワンガン島にて
飛行機に乗り降りするための、空港ビルから乗降扉までぐーんと伸びている、あの通路を「ボーディング・ブリッジ」と呼ぶそうだ。
デサンパサール空港に到着、ボーディングブリッジに一歩踏み出して、バリ独特の湿気や匂いを含む空気を、思いっきり吸い込んだ。
1週間のバリ旅も折り返してきた頃、私たちはギリ - トラワンガン島という、小さな島に向かった。
バリでは、ウブド周辺の観光地をひたすら回った後、カランガセムという田舎町まで、東へ80kmほど(中々激しい)車を走らせ、さらにジェットボートで1時間、船酔いしかけてやっとたどり着いた。
(ウブドのコテージ。子猫がうろちょろ)
(空がちゃんと青い)
(この池でローカル少年たちが釣りしてた)
(クタビーチでサーフィン。今までで一番楽しかった)
(大自然をバックに、朝プール!)
(やっと、ギリ トラワンガン島に到着。コテージまでの道のりがすごい)
旅疲れをしていたから、はしゃぐことも少なくなっていた。
"What are we going to do today?"
(今日、何しよう?)
"Hmm maybe... do nothing"
(うーん、何もしないとか?)
"Ok good, let's do nothing."
(いいね、そうしよう)
そうして私たちは、ビーチにある小さな、ローカルなレストランで、何もせずに過ごした。
デッキチェアで居眠りしたり、パソコンで映画見たり、
海に泳ぐ魚を見に行ったり、ビーチで綺麗なサンゴを探したり。
お腹がすいたら、フライドライスとフレッシュジュース(これがめちゃくちゃおいしい)を食べたり飲んだりした。
一度も時計を見ることなく、気付けば空が暗くなっていたので、コテージに戻った。
ハニー味のジャックダニエルを片手に、プールでゆらゆら泳ぎながら、私たちは今日を振り返った。
"We totally did nothing"
(本当に、何もしなかったね。)
(目の前オーシャンビュー。お隣のヨーロピアンも読書しながらホリデイを楽しんでた)
「食べて、祈って、恋をして」という映画の中で、主人公がイタリアを旅するのだけど、
その中で「イタリア人は、何もしないことの喜びを知っている」という会話がでてくる。
それを、
"Dolce far niente"
(ドルチェ・ファール・ニエンテ)
― 「何もしない甘美さ」
と言うそうだ。
日本人の多くは、"Dolce far niente" をあまり知らないのかもしれない。
何もかも異世界の旅先で、自分のお気に入りの場所を見つけて、何もしないで過ごす ー
そんな、ドルチェを味わうような、うっとりする時間を、旅先でつくること、
これを自分のライフワークの一つにしようと決めた。
(スガシカオみたいって言われた、お気に入り写真)
さて、次はどこへ行こうかな 。
yuico*